琵琶湖 植物プランクトン縮小 [ニュース]

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130503-00000014-mai-env

 琵琶湖の生態系を支える植物プランクトンの平均的な大きさが30年間で約5分の1に小型化したうえ、動物プランクトンが食べにくい種が増えていることが、龍谷大理工学部の岸本直之教授(水質システム工学)、滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの一瀬諭専門員(環境生物)らの調査で分かった。研究チームは「このまま進めば、貴重な固有種など生態系への影響が懸念される」としている。

【増殖する渦…】北海道沖の植物プランクトン

 調査では、琵琶湖北湖で1979~2009年に採取した植物プランクトン200種類のデータを分析。この結果、体積の平均値は80年代が269立方マイクロメートル、90年代が107立方マイクロメートル、00年代が56立方マイクロメートルと縮小傾向が進んでいることが確認できた。種類別では、ツヅミモなど体積の大きな種が減る一方、アオコ現象の原因とされるラン藻類など体積の小さな種が急増していた。

 湖のリン濃度など7項目の統計を調べると、水温が上昇するなどした年は、大きい種が減って小さい種が増えることが判明した。表層の水温が高いままだと、深層の水と混ざる現象「上下循環」が十分に起きないため、湖の酸素や植物プランクトンの餌となる栄養塩が減り、遊泳力を持つ小さな種が増えると考えられるという。

 また、植物プランクトン全体は小型化しているが、光合成による有機物は増えていることも判明した。動物プランクトンが食べにくい、ゼラチン状の有機物に包まれた植物プランクトンが増加している影響とみられるという。

 岸本教授は「変化の大きな要因としては水温の上昇が考えられる。植物プランクトンは琵琶湖の生態系の基礎。食物連鎖で魚の増減にも影響する」と指摘している。【千葉紀和】
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